英国周遊(スコットランド、バース、コッツウォルズ、オックスフォード)

今回の旅の主たる目的はオクスフォードのピットリバーズ博物館で開かれる故ジョンセラオ氏によるデザインをキルトとして完成した作品の特別展「Mauka to Makai Hawaiian Quilts and Ecology of the Islands」のオープニングセレモニーとレセプションに参加する事とエジンバラ近郊のLochcarron of Scotland社のタータン工場を見学することです。エジンバラとオックスフォードをベースに日程を広げ、前半はインヴァネスからスカイ島へ、後半はバースからコッツウォルズをめぐりオクスフォードへと向かいました。

今回もカタール航空を利用しました。ドーハ乗り換えでエジンバラに入り2泊、エジンバラ城と市内観光を楽しみエジンバラから鉄道でボーダー地方(スコットランドとイングランドの境界)にあるタータン工場見学に行きました。夕方、長距離バスでインバネスに移動して2泊、日帰りでハイランド地方の絶景スカイ島を観光しました。

旅の後半はインヴァネスから空路ブリストルに移動してバースに1泊、翌日から23日で蜂蜜色の家々を彩る薔薇や多種多様の花々の咲いた村々をゆっくり周り最終日オクスフォードに1泊しました。

成田からドーハ乗り換えでエジンバラへ

エジンバラ (Edinburgh)

エジンバラ空港からバスで市内へ、所用30分。終点は宿泊するOld Waverley Hotel の真横で自分たちで荷物を運んでチェックインするのは楽でした。ホテルはスコット記念塔の真正面でもあり、部屋の窓からエジンバラ城が見える絶好のロケーションでした

旧市街を散策しエジンバラ城の麓に賑わうグラースマーケットの老舗のパブで最初の夕食を楽しみました。

翌日、朝一番でエジンバラ城に行きました。オンラインで日本から予約していましたのでスムーズに入場できました。(終日予約でいっぱいでした)

エジンバラ城は街の中心の小高い丘の上に築城されエジンバラ市内を一望する難攻不落の城です。入り口から坂道が始まり登りながらお城の見学です。ちょうど戦没者慰霊の式典が行われておりスコットランド伝統の正装タータンのキルトを身に纏った儀仗兵を見ることができました。

エジンバラ城を出て、メインストリート「ロイヤル・マイル」を下りながら旧市街を観光、途中でバグパイプの街頭演奏を聴くことができました。

夕方、ホテルの前の公園をエジンバラ城の麓の噴水まで歩きエジンバラ城を真下から撮影しました。ちなみに暗くなるのは21時頃です。

動画版(3分44秒)

ボーダー地方 (The Scottish Borders)

翌日、エジンバラ駅から鉄道とタクシーでボーダー地方(スコットランドとイングランドの境界)のタータン工場とスコットランド王ロバート一世の心臓が埋葬されているメルローズ修道院に行ってきました。

タータン工場(Lochcarron of Scotland)

世界有数のタータンメーカーで、糸の染色から生地の織り、オーダーメイドの縫製まで一貫して行っています。最新鋭の自動織機で生産されていますが、検品は丁寧に厳しく手作業で行われているのが印象的でした。先日もチャールス国王がカミラ王妃を伴いタータン・キルトの正装で訪問されました。
工場に向かう道路は広く周囲は牧歌的で羊が飼われ羊毛原料を直近で得られるとの事、製品のスムーズな搬出はこの道路が大きな役割を担っているとのことでした。

メルローズ修道院

イングランドとの戦争により廃墟となっていますが、1136年創建のゴシック様式の修道院です。イングランド王国に対する独立戦争においてスコットランドを率いた、スコットランドの国民的英雄、スコットランド王ロバート1世の心臓が埋葬されています。

動画版(3分31秒)

夕方、長距離バスでインバネスへ移動しました。移動距離は180キロ(所用4時間)運賃は9ポンド(1800円)となぜか格安でした。鉄道の方が早く快適ですが大きな荷物を持っての移動にはバスの方が楽です(鉄道は荷物を置く場所が確保できるか乗るまで分かりませんが、バスは荷物室に確実に預かってくれます)

インバネス(Inverness)

インバネスはネス川の河口に位置するスコットランド北東部の海岸都市です。夕食はネス川にかかる歩行者専用の橋を渡ってシーフード・レストランに行きました。

翌日、定期観光バスに乗って日帰りスカイ島とアイリンドナン城観光に行きました。朝8時発、夜8時帰着の12時間観光です。バス会社からは、雨と強風が予想され、傘は役にたたないため、上下服と靴は防水仕様の装備が要求されました。

スカイ島 (Isle of Skye)

まず、ハイランド牛とのご対面です。スコットランドの在来種で絶滅危惧種の愛らしい牛です。

ネス湖沿いにしばらく走ると、1230年に築城された今では朽ち果てた古城アーカート城を見下ろす展望台に着きました。

次に、午前中のハイライト、スコットランドで一番美しいと言われているアイリンドナン城にゆき1時間の休憩です。

スカイブリッジを渡ってスカイ島に入り、まず第一の絶景、1820年代に建造された3つのアーチをもつ美しい石造りの橋スリガカン・オールド・ブリッジ、古い石造の橋と背景の山並みのコントラストが美しい!

次は、第二の絶景、港町ポートリーです。遅い昼食を兼ねた1時間の休憩をとりました。港の埠頭に建つ建物がピンク、ブルーとカラフルです。

午後はスカイ島らしい絶景が続きます。先ず、奇岩 Old Man of Storr

次は、Rigg Viewpoint、海の景色が素晴らしい。強風が吹くなかで羊が放し飼いされていました。

最後は、Kilt Rock and Mealt falls、タータンのキルトスカートのひだように断崖絶壁が続き、落差60メートルの滝が海に落ちる様は絶景です。

スカイ島から本土に戻り、帰り道は往路とは異なり鉄道の路線に沿ってインバネスまで戻りました。

動画版(3分36秒)

https://www.youtube.com/watch?v=9dqW1ztYPVI

翌日、空路で一気にブリストルに飛び、タクシーで英国唯一の温泉地バースに移動しました。

バース (Bath)

  • バースのホテルにチェックインして先ず世界遺産のローマ浴場博物館に行きました。25年ぶりの再訪です。外観は昔のままですが博物館の内部の展示は現代の技術を導入して当時の様子はこのようであったであろうと映像で示したり、通路の一部は透明な床になっており見学者の足元に当時の遺跡を見ることができました。

次に、大聖堂に入りました。

その後エイボン川に向かいました。バルトニー橋を挟んで両岸に立ち並ぶ建物と川面に飛び交うかもめやゆっくりと近づいてくる白鳥は旅びとの目を楽しませてくれます。

動画版(1分44秒)

カッスル・クーム(Castel Comb)

昼から2泊3日のコッツウォルズ観光を開始しました。先ず、英国一、最も古い街並みが保存されている村コンテストで何度も表彰されている村カッスル・クームです。

テトベリー (Tetbury)

アフターヌーンティーを楽しみました。3段トレーには①フィンガーサンドイッチ②2種類のスコーン(プレーンとレーズン入り)にクロテッドクリーム(脂肪分がバターと生クリームの中間の濃厚なクリーム)といちごジャム③プチケーキがセットされ、飲み物は紅茶またはコーヒーが選べます。一般的に午後2時から5時頃までの間で提供されます。かなりヘビーなので昼食を抜いておかないと食べ切れないかもしれません。室内のテーブルでも屋外で庭の植物を眺めながらでもゆっくり時間をとって楽しむのが良いと思いました。

スタントン (Stanton)

NGS(英国園芸協会)が年に1回開催するオープンガーデン(個人のイングリッシュガーデンを公開すること)がスタントンで開かれることを知り、日程を変更して訪問することにしました。

個人の庭にも通りにも至る所で色彩豊かな薔薇や多種の花々が咲いていました。数箇所の案内のポイントではお茶とケーキの接待も行われていました。村の人々が花を育てて来訪者にどうぞ見て楽しんで下さいという精神は本当に素晴らしいと思いました。

 

1泊目は「コッツウォルズのベネチア」として愛されるボートン・オン・ザ・ウオーターです。

ボートン・オン・ザ・ウオーター (Bourton-on-the-Water)

 

二日目の最初の村は「イングランドで最も美しい村」として名を馳せるバイブリーです。

この村を訪ねるのは3度目となりました。1度目は高校生だった娘と、2度目は児童文学作家の山下先生ご夫妻と訪ねた思い出があります。30年近く前になりますが風景は変わらず美しい村ですね

バイブリー (Bibury)

 

 

次に、ローワー・スローターに行きました。大型バスが入れないこともあり観光客が少ない静かた村です。この村では静かで観光化されていない佇まいを十分に楽しむことができました。清らかな水の川、水車、家々の花、地元のワンちゃんが散歩を楽しみ、乗馬の人たちもいます

ローワー・スローター (Lower Slaughter)

 

次は、ブロードウェー村より1マイル(1.6キロメートル)ほど南東の高台に位置するブロードウェイ・タワーに立ち寄りました。

ブロードウェイ・タワー (Broadway Tower)

次も、大型バスが入れない観光客が少ない静かな村スノーヒルです。小さな綺麗な村でした。やはり薔薇やたくさんの草花が家々の玄関口に咲き揃っていました

スノーヒル (Snowhill)

次に立ち寄ったのは「コッツウォルズの宝石」とうたわれるチッピング・カムデンです。昼食を兼ねてクリームティー(アフタヌーンティーからサンドイッチとケーキを除いたもの=スコーンと紅茶の軽食)をいただきました。ここも以前来たことがあります。村のランドマークとも言える古いマーケット跡があります。

チッピング・カムデン (Chipping Campden)

最後に、シェイクスピアゆかりの地ストラスフォード・アポン・エイボンに行き宿泊しました。
先ず、シェイクスピアの奥さんアン・ハサウェイの家、次にシェイクスピアの生家を見学しました。

ストラスフォード・アポン・エイボン (Stratford-upon-Avon)

アン・ハサウェイの家

シェイクスピアの生家

ストラスフォード・アポン・エイボン

動画版(6分51秒)

朝、最後の宿泊地オックスフォードへタクシーで移動しました。ホテルのご厚意で午前中にチェックインでき市内観光に出ることができました。

オックスフォード (Oxford)

午後、ピットリバーズ博物館で開かれたハワイアンキルト特別展のオープニングセレモニーに参列しました。その特別展に展示されたキルトは、ピットリバース博物館から依頼を受け故ジョンセラオ氏のデザインをポアカラニキルターが制作した作品です。

動画版(5分32秒)

おわりに

6月のスコットランド・スカイ島の気候(最高気温17度・最低気温9度)は、日本の白馬村の6月の気候(最高気温19度・最低気温11度)より寒いだけでなく、1日のうちで空模様は曇りのち晴れ、時々雨、さらに強風が吹き荒れる、という激しいものです。我々も上下防水使用の服を着用しました。短い夏(7月と8月)を除き1年の大半は寒く厳しい気候です。スコットランド人の荒々しい性格はあの厳しい気候によって育まれているのかと思い至りました。

ピットリバース博物館のハワイアンキルト特別展は大変素晴らしいものでした。今は亡きジョン・セラオ先生も奥様ポアカラ二と共にお喜びになっていると思います。今回の展示会を機会にハワイアンキルトが一層発展していくように祈っています。

Susie

オクスフォード大学ピットリバーズ博物館ハワイアンキルト特別展

オクスフォード大学ピットリバーズ博物館で開催されるハワイアンキルトの特別展 Mauka to Makai Hawaiian Quilts and the Ecology of the Islands のオープニングとレセプションにご招待をいただき行って来ました

この特別展に展示されたキルトはピットリバーズ博物館から依頼を受け故ジョンセラオ氏のデザインを我々インストラクターと生徒が制作した作品です。完成したキルトは2022OHA(オフィス・オブ・ハワイアン・アフェア)で1日だけハワイで一般公開された後、ハワイに受領しにこられたキューレーターのマレンカ氏に託しピットリバーズ博物館に寄贈されました。

ポアカラ二・ファミリー
故ジョン・セラオ氏

オックスフォードはロンドンから車で1時間ほどのオックスフォード大学を中心とする大学都市です。

タクシーで10分ほどのオックスフォード大学自然史博物館に行きます。ピットリバーズ博物館は隣接する自然史博物館から入館するためです。


恐竜などの展示室を通りピットリバーズ博物館へ入ります


東南アジアや南太平洋などを中心に世界の民族考古資料を集めた博物館です。その膨大な展示を通って特別展示室に入ります。

オープニング・レセプションの前にハワイと日本からのメンバーが集まりました。

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突然連れて行かれ展示室の私の作品の前に座らせられインタビューが始まりました。事前に話もなく準備もしていなかったのでびっくりしました。

オープニング・レセプションには地元の方が大勢招かれていました。オープニングセレモニーがあってその後レセプションとおもっていたら、プレビュー・レセプションが先で皆さんワインなどを片手に展示会を楽しみ、その後ピットリバーズ博物館本館に移ってオープニングセレモニーでした。

プレビュー・レセプション

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オープニングセレモニー

ハワイ側代表シシーのスピーチ(YouTube動画 1分14秒)

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翌日から一般公開です。朝一番10時にピットリバーズ博物館に行き展示室に行きゆっくり作品を見ることができました。


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動画版です。クリックするとYouTube動画が開始します(3分半)

終わりに

ご覧の通りキルトは丁寧に美しく展示されていました。私たちの先生ジョンセラオ氏がこの日を一緒に迎えることができたらという思いと後継者のシシー嬢と支えたご家族がしっかりと計画を進めて来てくださったことに感謝です。伝統をつないでいくことは並大抵ではありません。ホノルルのポアカラニファミリーのキルト教室ではどなたにでもドアを開いてワークショップを行っています。また日本国内においてはインストラクターとして認められたキルターたちがそれぞれの教室でハワイアンキルト制作をしてみたいという方々へお教えしています。ピットリバーズ博物館での展示によってハワイアンキルトのメッセージや楽しさがさらに広く伝わってゆくことと思います。

なおこの特別展はこれから先2年間の展示が予定されていますので機会がございましたら是非ご覧ください。ロンドンから鉄道で1時間、オックスフォードは大変魅力的で美しい街です。

マハロ

追記

今回の展示に伴い、ポアカラにファミリーからはTシャツ、ピットリバーズ博物館からは図録とハガキなどが制作されました。
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英国オックスフォード大学附ピットリバーズ博物館にハワイアンキルトの作品が寄贈されました

2020年、Poakalani & Coはイギリスのオックスフォード大学ピットリバーズ博物館から、コレクション用の一連のキルトの制作を依頼されました。2020年3月、新型コロナのために全世界が閉鎖され、私たちのクラスも封鎖の犠牲者でした。2年後、キルトはようやく完成し、ピットリバーズ博物館のマレンカさんがついにハワイに来ることができ、そこでようやく14〜45インチ×45インチのキルト15作品を引き渡すことができました。 すべてのキルトは故ジョン・セラオによってデザインされ、Poakalani & Coのキルターによって制作されました。 私たちはこのプロジェクトに参加できたことを光栄に思い、誇りに思っており、ハワイアンキルティングへの情熱を世界に共有できるようにしてくれたピットリバーズ博物館に永遠に感謝します。エンジョイとアロハ
翻訳:原文(英語)はPoakalani & Coによります


ビデオのタイトルは私の作品レフアLehua Blossomsです

東京国際キルトフェスティバル(2020年1月)

東京ドームで開催されている第19回東京国際キルトフェスティバルにクレイジーキルトをを出品し入賞しました


東京ドームの広大なアリーナを展示ブースとマーケットブースが埋め、観客で一杯となって大盛況です。

会場に入るとの特別企画の「キルトが奏でるミュージック」をテーマにした楽しい人形やキルトが出迎えてくれました。


くるみ割り人形

ブレーメンの音楽隊

三浦百恵さんのキルトも展示されていました

キャシー中島さんの息子さん勝野洋輔氏のトークショーも大人気です

有名な先生がたのキルト作品は流石に見応えがありました

宮内恵子先生(バラの大きなブーケ)


最上美和子先生(東京2020キックオフ!)

コンテスト部門「日本キルト大賞」には応募総数1122点の中から選ばれた入選・入賞作品約300点が展示されていました。


入賞作品展示エリア

日本キルト大賞(慈雨の調べ)
和布のキルトで素晴らしいものでした。

入賞作品は流石に素晴らしいものでしたが、入選作品も負けず劣らず素晴らしく作者の皆さんの並々ならない努力のあとが見て取れる力作ぞろいでした。

入選作品展示エリア

おかげさまで私の作品も入選し展示していただきました。

キルトマーケットにハワイアンキルトのメアリーシーザーさんのお店があり久しぶりに再会しました

ラトビア・エストニア(リガ、キフヌ島、ムフ島、ハープサル、タリン)

今回の旅行の最大の目的はエストニアのキフヌ島に行くことです。キフヌ島は生きた博物館と言われ、本土では失われた歌や踊り、手工芸、生活文化が残っており、女性は子供からおばぁちゃんまで今も伝統的な縞模様のスカートをはいています。更にムフ島のムフ刺繍とハープサルのレースを見学する手芸の旅です。

成田を12時にたちモスクワで乗り換え20時にリガにつきました。入国手続きが意外に時間がかかったため急いでターンテーブルに向かいました。小さな空港で到着便も少ないのですぐに荷物がでるはずなのですがなかなか出てきません。他にも10人ほどの人が荷物が出るのを待ちましたが、結局ミッシングが確定し手続きをとることになりました。最終的に翌日荷物は発見され、午後ホテルに届けられましたが、旅行初日なので久しぶりに慌てました。次回からは最低限の着替えを手荷物として持ち歩く必要があると反省しました。

ホテルは旧市街にあるのでチェックインしてすぐ散歩に出かけました。1〜2分も歩くとダム広場に着きましたが、なんと大きなクマの置物が広場を埋め尽くしていました。よく見るとそれぞれカラフルにペイントされ国別になっています。説明を読むと「ユナイテッド・バディー・ベア」という国連のイベントで各国の芸術家により彩色された2メートルの140体のクマが「文化と宗教の間における許容と人々のコミュニケーション」を目的に展示されているものでした。

ダム広場のユナイテッド・バディー・ベア

翌日、小雨模様でしたが、市内観光に出ました。リガの旧市街は石畳で歴史的な建物が多い落ち着いた趣のある街です。朝は観光客を含め人の出もすくなく静かでした。

三人兄弟

旧市街を取り巻く運河を巡る船に乗りに行きました。乗り場は緑と花が咲ほこる美しい公園の中でした。運河をめぐり港を回って元の運河に戻る1時間のクルーズはのどかで快適でした。

ドーム広場に戻り12時からのリガ大聖堂のパイプオルガンコンサートに行きました。6718本のパイプを持つ世界で四番目に大きなパイプオルガンです。美しいステンドグラスの光の中を荘厳な音色が響き渡りました。

123メートルの尖塔を持つ聖ペテロ教会の横のレストランで昼食を取りました。仔牛のシュニッツェルは本場のウイーンより美味しくラトビアの食文化の高さを感じました。

細い道を抜けると市庁舎広場に出ました。前面にブラックヘッドの会館という壮大な建物があります。4世紀に未婚商人のギルト「ブラックヘッド」の為に建てられ、リガ建都800周年の1999年に再建されたのです

街の中心リーヴ広場にはおしゃれなレストランが並び、その前にはきれいな花が咲いていました。

ビデオ(4分8秒)

リガから高速バスでエストニアのパルヌに移動しました。バスターミナルの前は中央市場です。

パルヌで専用車に乗り換えキフヌ島行きの港まで30分、フェリーに乗って1時間でキフヌ島につきました。

キフヌ島に到着し民宿にチェックインしました。広い敷地の一戸建てでした。夏も終わりで宿泊客は我々の他にはお婆ちゃんのグループが一つ、民宿のスタッフもお婆ちゃんが二人だけす。このお婆ちゃんは大変良い人なのですが英語が喋れないため話が通じず苦労しました。

朝起きると羊の群れがやってきて、民宿の前の牧草地で朝食です。草を噛むバリバリという音が響きました。

タクシーもバスもないのでレンタル自転車を借りてキフヌ博物館に向かいました。道は平坦で高低差はあまりないのですが、なれない自転車に悪戦苦闘、ようやく博物館に到着しました。

博物館の学芸員さんから教えて頂いたキフヌ島手芸の第一人者Roosiさんを訪ねました。ノーアポイントでしたが心良くお会いいただき感謝です。ちょうどじゃがいもを収穫してきた所だそうです。84歳の元気なお婆ちゃんでした。

その後、キフヌ島最北端の灯台を目指しました。ようやく静かな岬に到着しましたが、残念ながら灯台は工事中でした。

お昼は博物館から500メートルほど離れた集落のオープンレストランでした。陽光の中おいしい昼食とビールを楽しみました。

朝晩の食事は民宿のお婆ちゃんが部屋まで届けてくれました。キフヌ島の家庭の味です。素朴ですがどんな高級レストランより美味しい、思い出に残る味でした。

朝食
夕食

ビデオ(4分36秒)

キフヌ島を10時のフェリーでたち本土に戻り、事前に手配しておいた専用車で湿地帯公園経由でムフ島行きのフェリーが出る港まで移動し、20分でムフ島に着きました。その後ムフ博物館に行きムフ刺繍を施した民族衣装を見てから、島の中心の村LIVAのムフ刺繍協会の運営するショップに寄り、最終的に宿泊先のペデステ・マナーに行きました。

ペデステ・マナーはエストニアを代表する5星のマナーハウス(領主の館)で広大な敷地に24の客室があります。スパの他にはこれといった目ぼしい設備がない、ひたすらのんびり過ごすという究極のリゾートホテルです。部屋の窓から外を見ると芝生の上を全自動の掃除機(アイロボットの大型)が動き回る以外は誰もいません。有名なレストランはガラス張りで庭の眺めの美しく、料理もエレガントでした。

翌日、10時にムフ刺繍作家のシリエさんの工房を訪問しました。当日は日本人を含む3つのグループがワークショップのために訪問されるとのことで、お忙しい中丁寧に作品について説明していただきました。

ビデオ(4分14秒)

フェリーで本土に戻り、タリンから99キロ離れたバルト海に面したリゾート都市ハープサルに向かいました。到着したバス停は旧ハープサル駅(鉄道博物館)の前でした。クラシックな駅舎に入ると線路に多くの鉄道車両が屋外展示されていました。正面には赤い星のマークがついた共産主義時代のものです。中でも蒸気機関車がなかなかの迫力でした

ホテルチェックイン後ハープサル・レースセンターに行きました。極細の糸で編まれたレースのショールが特色でかつてはエストニアの重要な輸出品だったそうです。レースセンターの前からハープサル城までのメインストリートで丁度クラフトフェアーが開かれていました。多くの手芸作品のお店の他にハムやチーズなどの食品のお店もあり多くの人で賑わっていました。

ビデオ(2分40秒)

ハープサルから高速バスでタリンに向かいました。99キロ1時間半の快適なドライブです。運賃はわずか4.2ユーロ、通常運賃7ユーロのところシニア(60歳以上)は4割引なのです。エストニアは高齢者に優しい国でした。

タリンのホテルに荷物を預け早速タリンの街の散策に出ました。タリンの旧市街は中世がそのまま残ったようなロマンチックな街です。昼食は古い商人の館を改装して造られたオルデハンザにしました。中に入ると真っ暗です。だんだん暗さに目が慣れてくると中世の食堂にろうそくが灯り、中世の服装をした男性と女性のスタッフがサーブをしています。魚の燻製の盛り合わせとスープそれからはちみつ入りビールをたのみました。料理もパンもおいしくいただけましたが、ちみつ入りビールは良い経験になったというところです。

昼食後、ぶらぶらと旧市街を散策しました。市庁舎のあるラエコヤ広場をぐるりと廻り、聖カタリーナ通りの手芸店を覗きました。さすがに大観光地でお土産やさんやレストランがたくさんがあり観光客で賑わっていました。

夕食後、ライトアップされたラエコヤ広場を散策しました。

ビデオ(4分40秒)

帰りの便のモスクワ乗り継ぎは5時間50分もありましたが、プライオリティーパスの空港ラウンジのお蔭で快適に過ごすことができました。プライオリティーパスは世界140か国500都市1200か所以上の空港ラウンジが無料で利用できる会員組織です。楽天プレミアムカード(年会費10000円)に入ると無料でついてくるので今回はじめて利用しましたが大変助かりました。ちなみにカードホルダーの帯同者は一人1回3000円かかります。

南フランス(ニース、マルセイユ、カルカソンヌ、ニーム、アヴィニョン、リヨン)

今回の目的は南フランスの伝統キルト「ブティ」とリヨンの絹織物産業を勉強することと、今まであまり行ったことがない南仏をじっくり見て回り、各地の名物料理を食べることでした。

「ブティ」は南フランスのプロヴァンス地方発祥のキルティング技術で「白い布の彫刻」とも呼ばれており、ローマ遺跡で有名なニームから西に18キロほど離れたカルビゾンの「ブティの館 La Maison du BOUTIS」という博物館と、ニームから東に28キロほど離れたタラスコンの「ソレイアード博物館 Musee Souleiado」で「ブティ」を見ることができることが分かりました。そしてリヨンには「リヨン織物装飾芸術博物館」と「カニュの館」があることが分かりました。

日程は、ニースから入ってリヨンから帰国することとし、今回も乗継の良いトルコ航空を利用しました。宿泊はニース1泊、マルセイユ1泊、カルカソンヌ1泊、ニーム1泊、アヴィニョン2泊、リヨン1泊の7泊、観光に便利なロケーション(カルカソンヌは城内)の4星クラスのホテルとしました。移動はフランス国鉄(SNCF)をネットで予約しチケットはE-Ticketでした。ニースとアヴィニョンでは日本語ガイドつきの車をチャーターし、リヨンでは徒歩観光のため日本人ガイドを手配しました。

ニース

午前10:40ニース着、空港からニース市内を通過し海岸沿いにモナコに向かいました。途中ヴィルフランシュ・シュル・メールでフォトストップ、絶景です。

モナコはテニスのモンテカルロ大会の真最中、と同時に自動車レースのモンテカルロラリーの準備(工事)で大渋滞でした。下車せず車窓からの観光です。小さくても豊かで平和な国、一つの理想形、でもお金持ちしか住めないようです。
モナコからニース方向に10キロほど戻り標高427メートルの高台の村エズ(鷲の巣村と呼ばれています)に向かいます。



駐車場から坂道を登っていくと、くねくねとした小道にお店やレストランが続くお洒落な村です。頂上に植物園があり、眼下に青い海(コート・ダジュール)が広がっていました。

ニースに着いてシャガール美術館に行きました。日差しの気持ちの良い野外レストランでニース風サラダをいただきました。



コレクションの中心は旧約聖書を題材とする17点の作品で、見慣れたロマンチックなシャガールの作風とは一線を画した宗教色が強い作品でしたが、シャガールの本質を理解す上で大変勉強になりました。

モーセと燃える柴
馬に乗る花嫁(ソロモンの雅歌)

その後城址公園からニースの海岸風景を展望しました。よくテレビで見た風景です。

夜はニースの最高級ホテルのネグレスコでシェフをしていた方が開いたニース地方料理の店に行きました。電話予約を取らない小さなレストランでしたが、なんとか入ることができました。素朴でやさしい味です。プリンを一つとり二人で分けていたら、さり気なくケーキをサービスしてくれました。お味もサービスも今回の旅行で一番のレストランでした。



翌朝、旧市街サレヤ広場の朝市を散策しました。美しい花や新鮮な野菜を売る店や土産店などを見て、カフェで一休みしてから、TGVでマルセイユに移動しました。

マルセイユ

車窓から地中海を見ながらの2時間40分の快適な鉄道の旅です。車内ではWiFiが無料で使え、アプリで現在どこを何キロで走っているかがリアルタイムで分かり便利でした。



マルセイユ到着後、旧港からプチトレイン(4~5両連結式の市内観光バス)でノートルダム教会へ行きました。狭い市内をくねくね曲がりながら走り市内観光に最高です。ノートルダム教会は山の上にあるので、下から(旧港、海から)いつも見え、教会からはマルセイユが360度見えました。内部は美しいモザイク画で飾られ、天井から船の模型が沢山下がっていました。海に生きる人々が航海の安全を祈って寄進したもので信仰の深さと切実な祈りを感じました。



夜は車で10分程の漁港でブイヤベースを食べました。魚のスープは濃過ぎ、魚は煮過ぎで、今一つでしたが、外では多くの人がワインを片手に集まっており、一緒に美しいサンセットを見ることができ良い思い出になりました。

う〜ん・・イマイチ
夕日が最高でした。まわりはワインを片手の若い人でいっぱい

朝、旧港の岸壁で開かれるフィッシュマーケットに行ってきました。小さな舟から降ろされたとれたての魚はまだピチピチ跳ねていました。


カルカソンヌ

マルセイユから鉄道で3時間20分カルカソンヌに着きました。駅の前は世界遺産のミディ運河をめぐる船の船着場です。

世界遺産ミディ運河

タクシーでカルカソンヌ城内のホテルに向かうと城壁の外で降ろされました(中には入れないのです)しかしそこには予約していたホテルの軽自動車が迎えに来ていました。なるほどこういうシステムなのかと感心しました。カルカソンヌは「カルカソンヌを見ずして死ぬな」と称えられるヨーロッパ最大の城塞都市でまさしく中世にタイムトリップした気分が味わえる街です。

ナルボンヌ門

二重の城壁に囲まれた城塞都市の中には土産店やレストランが並び一大観光地です。日中は日帰りの観光客で溢れていますが、城内には小さなホテルが3軒しかないため朝晩は人影もなく静かです。

コンタル城に入城して城壁を廻り城塞都市の全景をみることができました。これだけ保存状態の良い見ごたえのあるお城はあまりないと思います。

城の外壁に黄色いスタライプの塗装が?一体なに?
オード門を出て、ある一点から見ると城に同心円が描かれていました。なんとアートでした!

夜はカルカソンヌの名物料理カスレ(白インゲン豆、カモまたはガチョウのコンフィ、ソーセージなどを土鍋で煮込んだもの)を食べました。お豆が良く煮えて味がしみ大変美味しくいただきました。

翌日、タクシーで旧橋と新橋を経由して下町のバスティード・サン・ルイを少しまわってからバスでモンペリエに向かいました。

新橋から見た旧橋とカルカソンヌ

実は当初、鉄道でニームに移動する予定だったのですが、フランス国鉄のストのため、急遽バスに変更したのです。しかしニーム行は時間が合わず、100キロ手前のモンペリエ行きを予約し、チャーターしていた車をモンペリエに迎いに来てもらい、なんとか日程を守ることができました。

カルヴィゾン

モンペリエからカルビゾンのブティの家(Maison du Boutis)に向かいました。この博物館はブティ協会が運営するもので18世紀と19世紀そして最近の作品が展示されています。ブティは南フランス発祥のキルティングで二枚の布にまず柄を縫って、その柄の中に後から綿を入れるという気の遠くなるような手作業の美しい作品です。近代化と共に一端廃れかけたものを協会を中心に復興され、現在ではフランス各地でグループができ活発に活動されているそうです。協会の会員の方に素晴らしい作品の数々を丁寧にご案内いただきました。最後に会長にお会いすることができ特別に館内の写真撮影の許可をいただけました。

ブティ協会会長と記念撮影

ニーム

ニーム到着後、まず街はずれの丘の上に建つマーニュの塔に行きました。ローマ時代の見張り台でかなり崩れていますが内部のらせん階段を登って展望台に上がり、ニームの全景を見ることができました。

ニームはフランス最古のローマ遺跡の街として有名ですが、円形劇場や古代神殿(メゾン・カレ)といったローマ遺跡と現代の建物が融合した清潔で整った街でした。

円形劇場
古代劇場(メゾン・カレ)

リュベロン地域のフランスの最も美しい村をめぐる

ニームを発ちリュベロン地域のルションに向かいました。ルションはアヴィニョンから東に50キロほどのオークという黄色い顔料の原料となる岩石がとれる建物がピンク色をした村です。フランスの田舎の小さな村の歴史遺産の価値の向上や保護を目的とし、「人口が2000人以下」、「都市化されていない地域」や「歴史的建造物、自然遺産を含む保護地区を最低2箇所以上保有」など、厳しい条件をクリアした「フランスの最も美しい村(現在157)」の一つに認定されています。

ルションの全景
ルションの村

次にルションから10キロほど離れた同じく「フランスの最も美しい村」、岩山に張り付いたようなはちみつ色の村ゴルドに向かいました。天空の城ラピュタのモデルになった村だそうです。なおフランスの最も美しい村協会の会長はこの村の村長さんだそうです。

ゴルドの全景
はちみつ色のゴルド城

アヴィニョン

ゴルドからアヴィニョンに着きました。まずローヌ川の中州に渡ってアヴィニョン橋(サンベネゼ橋)と教皇宮殿の両方見える撮影スポットに行きました。1177年から1185年にかけて建設された石造アーチ橋で、建設当時は長さ920m、22のアーチがありましたが、現在は倒壊し4つのアーチが残っているのみです。

アヴィニョン教皇宮殿は1334年から1352年にかけてローマ教皇の住居として建設された、ヨーロッパ最大級のゴシック宮殿です。フランス革命時に襲撃を受け一部のフレスコ画を除き内装は破壊されましたが、入口で貸し出されるタブレットのVR(仮想現実)機能で往時の華やかな内装を見ることができるようになっています。

VR(仮想現実)による宮殿内観光

プロヴァンス一日観光

車をチャーターしプロヴァンスの一日観光に行きました。

まずアヴィニョンから南に30キロほどのレ・ボー・デ・プロヴァンスに行きました。プロバンス語で岩だらけの屋根という意味の石灰岩で形成された城塞の村です。40年近く前、この村のボー・マニエールというミシュラン三つ星レストラン(現在は二つ星)に行く企画をして転勤のため行けなかった思い出があります。今回やった来ることができました(レストランには行けませんでしたが)

次にアルルに行きました。アルルは古代ローマ時代から中世にかけての歴史の息吹が強く感じられる街です。ローマ時代には首府が置かれ、今なお闘牛が行われる円形闘技場や劇場があります。また印象派のゴッホが滞在した15ヶ月間で約200点もの作品を残している街でもあります。昼食をとったあと円形闘技場と劇場をまわりましたが、ゴッホゆかりの「夜のカフェテラス」などの場所には行く時間がありませんでした(街はずれの「跳ね橋」には行くことができました)やはり一泊する必要があったと反省しています。

円形闘技場
ゴッホの跳ね橋

次にプロヴァンスプリントのレゾリヴァード社に行きました。200年の歴史を誇る老舗で、今では珍しくなった自社工場でプリントを行っています。オーナー自ら工場を案内していただきました。会社の歴史やプリント工程の詳細を熱心に説明していただき、自社の製品に対する愛情と熱意を強く感じました。またスクリーンプリントやロータリープリントなどの最新技術を見ることができ大変勉強になりました。

オート・スクリーン・プリンター
ロータリープリンター用シリンダー
オーナーとご子息

次にタラスコンのソレイアード博物館に行きました。プロヴァンスプリントの大手メーカーであるソレイアード社の運営する博物館です。ブティのコレクションは少なく、プロヴァンスの伝統衣装や最近のファッションの推移が展示の中心でした。展示を各自見るスタイルで特別に案内はありませんでした。ソレイアード社のショップが併設されており博物館よりショップが目的で来る方のほうが多いようです。

最後にポン・デュ・ガールに行きました。紀元50年頃ユゼスの水源からニームへの導水路として建設された高さ49mの世界一高い古代の水道橋です。1985年にユネスコ世界遺産に登録され、フランスの偉大な景勝地にも指定されています。スペインのセゴビアの水道橋(高さ28.5m)より大きく保存状態が良い美しい橋でした。

リヨン

アヴィニョンTGV駅(市の中心から少し離れている)からリヨンへTGVで1時間でした。「美食の都」「絹の街」と呼ばれるパリに次ぐフランス第2の都市です。 ローヌ川とソーヌ川の2本の川が街を横切り、背後にローマの遺跡を残すフルヴィエールの丘がそびえ、旧市街と呼ばれる古い町並みはユネスコ世界遺産に登録されています。
ホテルにチェックイン後、先ずリヨン織物装飾芸術博物館に行きました。リヨン織物装飾芸術博物館はリヨンのみならず世界の織物芸術作品と産業の歴史をあますことなく伝える博物館で、織物芸術の分野でヨーロッパ最大級の規模を誇ってます。残念ながら写真撮影が禁止されているためコレクションをご覧いただけませんが一見の価値があります。

その後カニュの館に行きました。カニュとは機織り職人のことを指し、このエリアには織物工房が軒を連ね一日中機織りの音が響いていたそうです。使用されていた織り機は当時発明されたジャガード式半自動織機でカニュの館では機織りの実演してくれました。このジャガード式半自動織機が先日行ったベトナムでは現役で使用されていたのを思い出し感激しました。

その後、市庁舎やバルトルディの噴水があるテロー広場にある伝統染色工房に行きました。インドから伝わった木版プリント(2011年に行ったインドのグジャラート州では今でもこの方式が使用されていました)の技法を改良し金属製の柄を打ち込んだ木版を使用したプリントを実演してくれました。またスクリーンプリントなどの伝統的な染色も行っており、美しい布製品を販売していました。

バルトルディの噴水と市庁舎
ウッドプリントの刷版、柄は木彫りではなく金属製でした

夕食は旧市街のブション(リヨン料理のレストラン)に行き、リヨンの伝統料理である川カマスのクネル(魚のすりみ)とアンドゥイエット(内蔵肉のソーセージの煮込み)を食べました。かなり癖があり残してしまいましたがリヨン庶民の味を楽しむことができました。

リヨンはパリによく似ています。街の中心には近代的な高層ビルはなく、高さとスタイルが統一された石造りの整然とした町並みが続き、セーヌ川に似たローヌ川とソーヌ川が流れています。しかもパリよりコンパクトで主要な見どころには歩いていけて便利です。朝、ソーヌ川沿いのマルシェ(朝市)に行きお土産にオリーブとチーズを買い、正面には裁判所とフルヴィェールの丘の上のノートルダム寺院を見ながらソーヌ川にかかるパレ・デ・ジャスティスの遊歩道を渡って世界遺産の旧市街に行きました。

正面は裁判所、その上の丘の上にノートルダム寺院とエッフェル塔に似た展望台が見えます

リヨン・サン・ジャン大聖堂に入ってから、ケーブルカーで古代ローマ劇場へいきました。

サン・ジャン大聖堂
今でも現役で使用されています

それから歩いてノートルダム寺院(ノートルダム ド フルヴィエール バジリカ聖堂)に行きました。9世紀末に、建築家ピエール・ボッサンによって設計され、費用は献金によって賄われました。聖母アリアに捧げられた建物で、大聖堂の最上部に聖母像をいただいています。壮大な聖堂の中は黄金色の装飾がまばゆいばかりに輝き豪華絢爛です。夜はライトアップされ印象的でした。見晴らし台からリヨンの街並みを展望しました。

 夕方、リヨン・サン=テグジュペリ空港を発ち、イスタンブール乗継で無事成田に帰国しました。

さいごに

今回も多くの方々のご協力で大変有意義な旅行となりました。事前に得られたブティやプロヴァンスプリントについての情報は極めて少なく現地に行って初めてその実態にふれることができました。しかしフランス語が出来ないため通訳なしには表面的なことしか分からなかったでしょう。幸いアヴィニョン在住の串川さんとリヨン在住の藤原さんという極めて優秀なガイドさんによる通訳のおかげで良く理解することができました。またブティの家ではブティ協会の皆さんのご協力でブティの歴史や背景など得難い知識を得ることができました。心より感謝したいと思います。

観光的には好天に恵まれ南仏の風景や食を堪能することができました。旅行中にフランス国鉄(SNCF)のストによりカルカソンヌ〜ニーム〜アヴィニョンという2区間がキャンセルとなるというアクシデントが発生し、一時はどうしたものかと困惑しましたが、なんとかバスへの変更で対応でき事なきを得て終わってしまえば良い思い出となりました。

第2回ハワイアンキルト作品展

第二回ハワイアンキルト作品展が横浜みなとみらいギャラリーで開催されました。ホノルルからハワイアンキルト界の重鎮ジョンセラオ師が来日され、ジョン&ポアカラニ公認インストラクターによる作品が展示されました。10月15日(日)まで開催されていますので、ご都合がつけば是非おいでください。本当のハワイキルトがどうゆうものか一見の価値があると思います。

https://youtu.be/adU3hZOlkWA