南フランスのプロヴァンスプリント
インド更紗を起源とし南仏プロバンス地方で発展したプロバンスプリントの工房を訪ねました。
レゾリヴァード社(サン=テティエンヌ=デュ=グレ)
200年の歴史を誇る老舗で、今では珍しくなった自社工場でプリントを行っています。オーナー自ら工場を案内していただきました。会社の歴史やプリント工程の詳細を熱心に説明していただき、自社の製品に対する愛情と熱意を強く感じました。またスクリーンプリントやロータリープリントなどの最新技術を見ることができ大変勉強になりました。
オート・スクリーン・プリンター
ソレイアード博物館(タラスコン)
プロヴァンスプリントの大手メーカーであるソレイアード社の運営する博物館です。プロヴァンスの伝統衣装や最近のファッションの推移が展示の中心でした。展示を各自見るスタイルで特別に案内はありませんでした。ソレイアード社のショップが併設されており博物館よりショップが目的で来る方のほうが多いようです。
リヨン
パリに次ぐフランス第2の都市です。15世紀頃ルイ11世が南フランスでの養蚕業の発展を指示し、16世紀に入り国からこの地は国から特許が認められヨーロッパでの絹産業の中心地となります。19世紀に入るとナポレオンもこのリヨンを訪れて絹織物産業の保護に努め、ジャガード式半自動織機の発明や職工の活躍で絹織物産業が発展し「絹の街」と呼ばれました。
リヨン織物装飾芸術博物館
リヨンのみならず世界の織物芸術作品と産業の歴史をあますことなく伝える博物館で、織物芸術の分野でヨーロッパ最大級の規模を誇ってます。残念ながら写真撮影が禁止されているためコレクションをご覧いただけませんが一見の価値があります。
カニュの館
カニュとは機織り職人のことを指し、このエリアには織物工房が軒を連ね一日中機織りの音が響いていたそうです。使用されていた織り機は当時発明されたジャガード式半自動織機でカニュの館では機織りの実演してくれました。このジャガード式半自動織機が先日行ったベトナムでは現役で使用されていたのを思い出し感激しました。
伝統染色工房
インドから伝わった木版プリント(2011年に行ったインドのグジャラート州では今でもこの方式が使用されていました)の技法を改良し金属製の柄を打ち込んだ木版を使用したプリントを実演してくれました。またスクリーンプリントなどの伝統的な染色も行っており、美しい布製品を販売していました。
ウッドプリントの刷版、柄は木彫りではなく金属製でした