クロアチア

今回の旅行は、世界無形文化遺産に登録されたパグ島のパグレースとフヴァール島のアガベレース、ドブロブニクの刺繍、クロアチアの民族衣装を見学することを主たる目的として、首都ザグレブから神々の手による水の箱庭と呼ばれるプリトヴィツ湖群国立公園を経由しアドリア海沿いにパグ島、ザダル、シベニク、トトギール、スプリット、フヴァール島と南下してドブロブニクに至り、最後にモンテネグロのコトル、ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルをめぐりサラエボから帰国するコースとしました

ザグレブ

イスタンブール乗換で8:25にザグレブに到着しました。最近よくトルコ航空を利用します。乗継が良く、特に中欧にいくのに便利です。料金も割安で機内サービスも良く気に入っています。

空港からザグレブ市内の民俗学博物館に直行し11時開館の少し前に到着しましたが、快く入れてくれました。おかげで他に入館者はおらずゆっくり見学することができました。ザグレブ全域から集められた民族衣装が展示され見応えがありました。最初の部屋は明るく照明されていて綺麗に展示されてましたが、他の部屋は照明が暗く、せっかくのコレクションがあまりよく見えませんでした。

ザグレブ民俗学博物館

動画1分25秒

その後、イェラチッチ広場に向かい旧市街を散策しました。世界一短い(66m)というケーブルカーで丘の上に登り、聖マルコ教会に行きました。屋根瓦が紋章柄の美しい教会です。坂を下っていくと石の門があり、信徒の方が祈りをささげていました。ドラツ青果市場には新鮮が野菜が売られ市民生活の一端を見ることができました。広場を見渡すレストランで昼食をとってから聖母被昇天大聖堂に行きました。ネオゴシック様式の壮大な教会でした。その後イェラチッチ広場で観光案内所の前から無料の遊覧バスに乗り、ザグレブの街をぐるりと回ることができました。

動画1分17秒

午後3時に市内を発ちプリトヴィツェ湖群国立公園に向かい午後5時半に到着しました。公園の敷地内のホテルは3つしかなく、宿泊したイエゼロホテルはそのなかでは一番大きく設備が良いと言われています。三ツ星ですから設備はそれほどでもありませんが、公園の入口(Gate2)へ歩いて5分くらいとロケーションは最高でした。

プリトヴィツェ

一般的にはゲート1から入り、遊歩道を下っててプリトヴィツェ滝を見て、遊歩道をカウァノヴァツ湖、ミラノヴァツ湖と周り、P3からコジャック湖を電動ボートで渡ってP1、坂をのぼってST2/Gate2に至るのが一般的な周り方です。しかし夏場は大変混んでいてバスや船に乗るのも30分以上待つとのことから、翌日、逆回りで、8時にゲート2から公園に入り、先ずコジャック湖を船で渡って下湖群を4時間ほど散策しました。お陰であまり待つこともなくスムースに回ることができました。

動画3分16秒

午後1時にザダルに向かう予定でしたが、手配していた車のドラーバーよりブッシュファイア(やぶ火災)が発生して道路が封鎖されたため遅れるとの連絡が入りました。クロアチアと周辺国は夏の間は雨がほとんど降らず各地でブッシュファイアが発生するとのことでした(確かにドライブしていると道路の左右に火災の後を見ることができました)。最終的に車が到着したのは3時間遅れの午後4時になりましたが、待ち時間を利用して予定外の上湖群も少し見ることができました。ザダル到着は午後7時半頃となり、有名な夕日をみることができませんでした。すっかり暗くなりましたがGreeting to the Sunやローマ遺跡など夜のザダルを散策し、港に面したレストランでシーフードの夕食を楽しむことが出来ました。ザダルの観光名所ナンバーワンであるシーオルガン(波の動きを音に変換して音楽を奏でさせる)のまわりは大勢の人でにぎわっていて音が良く聞こえませんでしたので、翌朝もう一度訪ね妙なる音楽を楽しみました。

ザダル

動画57秒

前日の到着が遅くなりサダルの民俗学博物館見ることができず残念でしたが、次の訪問地パグ島に向けサダルを出発しました。パグ島までの道は特異な景観でした。大陸側から続く石灰岩の地層で緑が少なく白い岩で覆われた荒涼とした風景です。しかしパグは海に面した明るい港町でした。世界文化遺産に登録されているレースと、潮風を浴びわずかに残る草を食べる羊の乳から作る絶妙な塩味のチーズで有名です。旧市街の広場にパグレース組合が運営するギャラリーがありました。小さなギャラリーですが素晴らしいコレクションでした。係員の方も大変親切でパグレースの作り方を実演してくれました。街なかの路地にもレースを売る人がいましたが、レースを買うならこのギャラリーが一番だと思いました。

パグ

動画2分44秒

昼食後、次の宿泊地スプリットに向かい、途中でシベニクに立寄りました。街の中心にはクロアチア・ルネッサンス建築を代表する世界遺産の聖ヤコブ大聖堂がそびえていました。聖堂の外壁面にさまざまな表情の72人の顔が刻まれているのが特徴的でした。

シベニク

動画1分20秒

午後6時頃にスプリットに到着しました。ホテルがディオクレスティアヌス宮殿の中にあって車が乗り入れできないため青銅の門の近くに車を止めてもらいました。門を通ると宮殿の地下です。土産店が並ぶ通り(なんと宮殿に地下に土産街があるのです)をスーツケースを転がし、階段を上がってやっとホテルに着きました。観光には便利ですが、チェックインとチェックアウトが大変です。ホテルの裏手に宮殿の中心の大聖堂やペリスティルがあり、鐘楼に登ってスプリット旧市街の全景を眺め、迷路のような通りを歩いて旧市街全域を散策しました。港に面してローマ遺跡があり、塀で囲まれた宮殿中に商店やレストランが並んだテーマパークのようになった、活気に満ちた楽しい街です。遺跡が現代と共存するために大幅に改修されており、そのため世界遺産に登録されていないのかと思いました。夜、海沿いのレストランで食べたシーフードは今回の旅行でも最高でした(ムール貝のトマトソース蒸し、イカのグリル、シーフードリゾット)。帰りにプロムナード(リバ)のステージでサマーフェスティバルのイベントで民族衣装の踊りや合唱を楽しみました。

スプリット

動画3分38秒

スプリット民俗学博物館

大聖堂の隣のペリスティルの中庭から、天井に穴の開いた前庭を通り民俗学博物館に行きました。

動画1分21秒

スプリットから25キロ程のところにある世界遺産トロギールに行ってきました。バスステーションの前の橋を渡った城壁に囲まれた小さい島です。石畳の路地が複雑に入り込んでいます。聖ロバロ大聖堂の鐘楼に登り、街の全景を眺め、カメルレンゴの要塞まで海沿いを歩きました。スプリットは違い小さい落ち着きのある可愛らしい街で、ここに泊まるのも良いかなと思いました。

トロギール

動画1分35秒

朝、青銅の門の目の前の桟橋から高速艇でフヴァール島へ出港です。1時間ほどでフヴァールに到着しました。船着き場の目の前のホテルにチェックインし、先ずはフヴァールの城塞に登ってフヴァールの全景を眺め、下山しながらアガベレースを見にベネディクト修道院に行きました。フヴァールは、昼は人数もそれほど多くなくのどかでしたが、夜のレストラン地区は若者で一杯でびっくり、昼はアクティビティ、夜はナイトライフ、まさにリゾートでした。

フヴァール

動画1分36秒

フヴァールから高速艇でドブロブニクに向かいました。アドリア海の島々をまわり3時間ほどでドブロブニク港に到着後、車でスルジ山の展望台に上がりドブロブニクの旧市街を眺めながら昼食をとりました。事前に予約しておいたお陰で旧市街を見下ろす絶好の席で大満足でした。

ドブロブニク・スルジ山展望台

その後国境を越えてモンテネグロのコトルに向かいました。いりくんだ湾をくねくねとめぐる道からの眺めはまるでノルウェーのフィヨルドのようでした。コトルはドブロブニクのように城壁に囲まれた港街です。城内を散策した後、城塞を登り中腹からの眺めを楽しみました。街の中心、聖トリフォン大聖堂の前から歌声が聞こえました。よく見ると民族衣装の人々の踊る姿が見えました。

コトル

動画1分57秒

コトルからフェリーで湾をショートカットしてドブロブニクに向かいました。国境に到着すると大渋滞で車が動きません。しばらく待っていましたが調べてみるとクロアチア側の入国審査官が一人しかおらず通過するのに4時間を要することが分かりました。国境を越えた所にタクシーが1台いたので急遽チャーターし、コトルから乗ってきた車を捨て、荷物を持って徒歩で国境を越え、タクシーでドブロブニクに2時間遅れで到着することができました。まず民俗学博物館に行きました。細い路地を迷いそうになりながらようやくたどり着きましたが、ザグレブやスプリットに比べあまり見るものがなく、照明が暗くてせっかくのコレクションも良く見えず、スタッフもホスピタリティーにかけ無愛想でした。その後昼食を取ってから城壁を一周しました。1時間ほどかかりましたが絶景でドブロブニクに行ったら絶対に行くべきだと思いました。夕方歩いていると聖ヴラホ教会で結婚式をしていました。式が終わり新郎新婦が大聖堂を出てくると、新郎新婦を中心に参列者がギターの伴奏で歌い踊る大騒ぎとなり、最後は国旗を先頭にピレ門まで歌いながら行進をはじめました。クロアチアの結婚式は賑やかでダイナミックでした。

ドブロブニク

動画3分7秒

翌日、市内から車で30分程の空港近くの村(Cilipi)で毎週日曜日に開かれる民族ダンスと刺繍の日曜市を見に行きました。村の中央広場に教会とコナヴァラ民族芸術博物館があり、教会の入口前に客席が用意されていました。博物館は刺繍に特化しており、1階には養蚕や絹糸の製糸工程が展示され、2階には刺繍を施した美しい民族衣装が展示されていました。コレクションの素晴らしさ、見やすい照明、分かり易い解説、充実したショップ、ホスピタリティーにあふれたスタッフなど、小さいながら素晴らしいもので、ドブロブニクの民俗学博物館が期待はずれ(貧弱なコレクション、見にくい照明、無愛想なスタッフ)でしたが、大満足でした。広場のあちこちで日曜市が開かれ、刺繍を施した民族衣装を着た女性が刺繍を売っていました。ガイドブックにもでているドブロブニクの刺繍店の刺繍は観光土産然としていて買う気がしませんでしたが、こちらは素晴らしく、ドブロブニク刺繍を買うならここしかないと思いました。

コナヴァラ民族芸術博物館

動画1分15秒

11:15から民族ダンスのショーが始まりました。弦楽器の伴奏で6組の若い男女とおじいさん一人の明るく楽しいダンスです。最後に結婚式のカップルと付き人がでてきて全員で踊ります。

CILIPI 民族ダンス

動画1分25秒

12:00にショーが終わり、10キロほど離れたグルダ村郊外のレストランで昼食を取りました。みどりと水音につつまれたのどかなレストランで、民族衣装の女性がサーブしてくれました。その後、ドブロブニクを経由してボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルに向かいました。途中のストラック村で2016年に世界遺産に登録された中世の墓碑を見ました。墓碑面の武人が右手をあげて挨拶をしていました。右手をあげているは友好の印、左手に弓を持っているのは、もし敵対するなら徹底的に戦うという意思表示だそうで、ボスニア人の心意気を学びました。山道を下り17時にモスタルに到着しました。

グルダ郊外のレストラン

ストラックの中世の墓碑

モスタル

モスタルは三つの川が合流するヘルツェゴビナの中心都市で、15世紀中ごろにオスマン帝国の支配下におかれため、トルコの面影が色濃く残るエキゾチックな街です。1993年のボスニア内戦で破壊され、戦後、平和の象徴として復活し世界遺産に登録されたスタリ・モスト橋は多くの観光客であふれていました。夕食をスタリ・モスト橋を見渡すレストランでとりました。食事中に橋の欄干から青年が眼下のネレトバ川に飛び込むのを見ることができました。翌日、改めて街を散策し、コスキ・メフメド・パシャ・モスクのミナレット(尖塔)に登りモスタルの全景を楽しみ、トルコの家でオスマン帝国時代の生活様式を見ることができました。

動画2分23秒

12時にモスタルを発ち、清流と魚料理で有名なブラ・スプリングで昼食をとり、クラヴィス滝を経由してサラエボ空港に向かいました。クラヴィス滝は高さはあまりありませんが、ナイアガラのような横幅のある美しい滝です。しかし大勢の人が泳ぐ海水浴場のような賑わいで拍子ぬけしました。クラヴィス滝から山の中をぬけてサラエボ空港まで3時ほどで到着しました。

ブナ・スプリング

動画42秒

クラヴィス滝

動画58秒

21:10発にサラエボを発ち、イスタンブール乗継で翌日の19時に無事成田につきました。

クロアチアは予想以上でした。内陸のプリトビチェ湖群国立公園も素晴らしかったのですが、一番気に入ったのは、アドリア海沿いの街々でした。ヨーロッパらしい歴史的な町並みと明るく美しい海が共存して他に類をみません。

観光的な要素を少し減らしもう少しゆっくりした日程にすべきだったと反省しています。特に最後のコトル、ドブロブニク、モスタルは1泊づつではなくドブロブニク3泊にしてリゾートライフを楽しむべきでした。コトルは魅力的な街でしたが国境の通過に時間がかかりすぎました。ボスニア・ヘルツェゴビナはモスタル以外観光的にはそれほど魅力的ではありませんでした。スプリットからドブロブニクへの移動の途中、又はドブロブニクからサラエボ空港に移動する途中に、昼食を含み3時間ほど立ち寄るのが良いと思います。