イタリア(ローマ、スポレート、アッシジ、ペルージャ、マジョーレ島、パニカーレ、フィレンツェ、シエナ)

アッシジ刺繍をはじめとするイタリアの刺繍・レース・織物を見にローマとフィレンツェの間にある中世の街並みが残る緑豊かなウンブリア州に行ってきました。

成田発のアリタリア航空の直行便でローマに夜到着しテルミニ駅に近いホテルに泊まりました

翌朝、テルミニ駅から急行列車でスポレートに行きました。

スポレート

スポレートは日本ではあまり有名ではありませんが山の上の城を中心に中世の街並みが残る魅力的な街でした。街はずれの山の上のホテルに泊まりましたがウンブリア平原が広がりホテルから日没が大変美しく感動しました。

アッシジ

スポレートから50キロほどの宗教アッシジに行きました。アッシジはフランチェスコ会を創設した聖フランチェスコの出身地として知られており、キリスト教の巡礼地としてたくさんの人々が訪れる世界遺産の町で中世の石造りの町並みが魅力溢れる町です。

スポレート在住の粉川さんの案内でトレヴィとアッシジに刺繍を見に行きました。

トレヴィサンタルチア教会の金糸刺繍(トレヴィ)

アッシジ近郊のトレヴィはオリーブの樹々の中、円錐形の高い位置に構成された人口約1000人の小さな町。遠くから見ると町全体がピンク色でとても印象的です。それは町の背後にあるスパシオ山から切り出された石材のおかげでバラ色の町並みなのです。高い位置に町が築かれた理由は外敵や疫病から町を守る為だったそうです。山頂近くのサンタルチア教会を訪問し修道女の皆様に金糸刺繍を見せていただきました。

アッシジ刺繍(アッシジ)

アッシジ刺繍のラフェエラ先生(Raffaella Bartolucci Cesaretti)にお会いし作品を拝見しお話を伺いました。先生はソルベッロ刺繍の権威であるポルポラ先生(Genevieve Porpora)と共にスポレート刺繍協会(UNITI DA UN’FILO)の理事をされており、アッシジ刺繍のオリジナルデザイン集や、アッシジ刺繍の歴史、デザインのヒント、貴重なアンティーク作品を収めた本(IL PUNTO ASSSISI)を著作されています。

デザインは中世のファサードの動植物の模様、デルータ陶器に使われる模様、ルネッサンスの画家ラファエロの絵画やグロテスク模様、聖書のモチーフをヒントにおこしているとのこと。

ペルージャ

アッシジから30キロほどの州都ペルージャに行きました。

紀元前8世紀から前2世紀にイタリア中部に栄えた古代文明エトルリアの12の同盟都市のひとつ。その2000年以上前の歴史の跡がまだ残る街には、現在も街の周囲をめぐる城壁や城門にエトルリア時代の見事な建築を見ることができます。

プリオーリ宮

ウンブリア州物産館(ペルージャ)

ペルージャにあるウンブリア州物産館に展示されている刺繍やレースをソルベッロ刺繍のポルポラ先生のご紹介で特別に手にとって見ることができました。

伝統機織GIUDITTA BROZZETTI(ペルージャ)

手動の織り機で昔ながらの織物を制作している工房を見学しました。建物はSan Francesco教会を買い取ったもので、ひいおばあさんから代々受け継がれ現在も作品の制作が続いています。工房の雰囲気も際立ってそれ自体が芸術品を見ているようです。案内してくださった女主人のMartaさんはまるでモデルさんのような美しい人でした。

ソルベッロ博物館

ペルージャ大聖堂の裏手にある博物館で学芸員の方の説明を受けながらソルベッロ刺繍のコレクションを拝見しました。素晴らしい刺繍のコレクションです。展示点数も半端ではありません。コレクションした方の情熱、伝えたい願いが伝わってきます。ソルベッロ刺繍はその制作を敢えて分業化し技法を門外不出としました。このため一貫した制作技法を知る人は現在ポルポラ先生をはじめ数人しかいないそうです。

見学を終えた後バルコニーにはクロスのかかったテーブルに飲み物とアペリティーボ(おつまみ)が用意されていてホッと一息。夏の遅い夕暮れを迎えたペルージャの景色もタップリと楽しみました。

翌日、ペルージャの西30キロほどのトラジメーノ湖の島と周辺の村にレースや刺繍を見に行きました。

マジョーレ島レース博物館

トラジメーノ湖の中のマジョーレ島にあるレース博物館を訪問しました。博物館の前の通りではレースを編む女性がお二人いました。お一人はアンナ・ディサンティスさん(90歳をこえています)は7歳の時からお母さんから口頭で編み方を教わりました。なんとマジョーレ島レースの創始者の直系でソフィア・ローレンやモナコ王妃のドレスを制作した家柄だそうです。

マジョーレ島からトラジメーノ湖を見渡す山の上のパニカーレ村に行きました

 パニカーレ刺繍博物館

パニカーレ刺繍協会の皆さんの歓迎を受けチュール刺繍のコレクションを拝見しお話を伺いました。

パニカーレを後にしてTerontola Cortonaから鉄道でフィレンツェに移動しました。

フィレンツェ

ルネサンス文化が花開き、今も世界中の人を魅了してやまない花の都フィレンツェ。なんど来ても素晴らしい街です。今回はピッティ宮殿とその周辺にも足をのばしました。

ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

閉館間際に入館したので最後の方は貸し切り状態で名画をゆっくり見学できました。

ピッティ宮殿

アルノ川の対岸にある広大なピッティ宮殿の中の衣装博物館とパラティーナ美術館を見ました

ピッティ衣装博物館(フィレンツェ)

美しく上品なドレスが時代順に展示されています。一点一点・刺繍・スパンコール・ビーズ刺繍・レース・コード刺繍など、たくさんの種類の刺繍がそれぞれの時代の最先端ファッションとして見事に施されています。

パラティーナ美術館(フィレンツェ)

ティツィアーノやラファエロのコレクションが充実していて感動しました。

サンタマリア・デル・カルミネ教会

ピッティ宮殿を出てサンタマリア・デル・カルミネ教会のブランカッチ礼拝堂に行きました。ルネッサンスを語るときに欠かせないないと言われるマザッチョとマゾリーノによるフレスコ画を鑑賞しました。

シエナ

フィレンツェから日帰りでシエナに行きました。

トスカーナ州中部にある、中世に金融業で栄えた有力都市国家。「シエーナ歴史地区」として世界遺産に登録されています。

 

後記

今回はスポレート在住の 粉川さんにコーディネーターをお願いし事前のアポイントと同行通訳をしていただいため非常に内容の濃い旅行となりました。また見ず知らずの1人の日本人のために、わざわざお時間を割いていただき、親身に対応していただいたウンブリア州の皆さんに心から感謝いたします。

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