グアテマラ

グアテマラは中央アメリカの国でメキシコの隣に位置しています。先住民(マヤ族)の末裔と混血(メスチソ)が人口の大半を占め、今でも部落毎に異なる独特な色や柄の衣服を日常的に身につけて生活しています。グアテマラ・レインボウーと称されるカラフルな民族衣装ウイピルを求めて、古都アンテイグアから最大の市場が立つチチカステナンゴや富士山のような美しい山に囲まれたアティトラン湖に行ってきました。

グアテマラ・シティー

日本からもホノルルからも直行便はなくアメリカ本土かメキシコで乗り換え首都グアテマラ・シティーに入ります。治安が極めて悪く観光には不向きですが、イシチェル民族衣装博物館は必見です。「グアテマラ・レインボー」と評される色鮮やかな民族衣装や織物のコレクションが素晴らしくグアテマラ織物の全体像を知るのに最適です。https://museoixchel.com/home#/museum/

アンティグア

グアテマラ・シティーから車で1時間ほど、バスでカーブの続く山あいをしばらく走って行くとウィピルを着た女性がカゴを持ったりカラフルな布に荷物を包み背負いながら歩く風景が目に入ってきます。16世紀頃から約200年にわたってグアテマラの首都だった古都で世界遺産に登録されています。多数の教会、スペイン植民地時代の建築物や遺構、街並みや敷石の道など美しい街です。治安も比較的良く観光の拠点となっています。

 

チチカステナンゴ

アンティグアから車で3時間、マヤのキチェ族のの文化が色濃く残る町、中央広場に木曜日と日曜日にマーケット(市)が開催され生活品や食料品だけでなく民芸品なども各地の村々から先住民の方々が売りに来て大変な賑わいです。カラフルな民族衣装の女性が溢れまさしくグアテマラ・レインボーの世界に興奮しました。

アティトラン湖

「世界で一番美しい湖」と言われており、富士山に似た優美な三つのコニーデ型火山に囲まれた標高1560メートルのカルデラ湖です。湖をとりまく緑濃い外輪山には、色鮮やかな民族衣装とマヤの伝統文化が受け継がれる20以上のマヤの村々が散在しています。

パナハッチェル

観光の拠点となる湖畔の町です。布地屋さんがありました。グアテマラらしい布地がたくさんありました。

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サンティアゴ・アティトラン

アティトラン湖で一番大きなマヤ・ツトゥヒル族の村。織物・刺繍・陶器など手芸が盛んで格子模様に花や鳥の刺繍文様がかわいい。細い帯をぐるぐると巻きつけた帽子も独特。金曜日に開かれるマーケットに合わせてパナハッチェルから船で行きました。

 

マーケットの賑わいを離れ港に戻る途中に絣織りの工房がありました。驚いたことに絣糸のくくりから機織りまで全て子供が行っていたのです。話をしてみると小学校5年生の頃から手伝いを始めたとのこと。今は中学生。学校から帰るとここで仕事をしているそうです。片言の日本語 ありがとう、さよならを知っていました。誰が教えてくれたのかを尋ねるとご当地に援助に入っている人たちから学んだようです。宿泊したホテルの近くのレストランで食事をしていた時一人の日本人男性から話を聞くことができました。日本からのスタッフがここの女性たちの技術で制作した作品を正当な値段取引で市場に出せるよう、材料の仕入れから制作、販売そして売り上げを銀行へ入金。そのサイクルを指導されているとのことでした。

 

パナハッツェル周辺の織物の村を訪ねました

サンタ・カタリーナ・パロポ

村ごとに異なる民族衣装のデザインのなかで、高い人気を誇る“青いウイピル”の村として知られています。伝統的なバックストラップ(後帯機)で織られていました。

サン・アントニオ・パロポ

山の斜面に造られた町で、湖から山の中腹に掛けて建物が段々に建ち並んでいます。住民のほとんどがマヤの先住民族カクチケル族で深い青を基調に紫や赤の縦糸が織り込まれたウィピルを村の多くの女性が身に付けています

 

ソロラ

パナハッチェルから車で20分ほどのカクチケル族の町、火曜日と金曜日にマーケットが開かれます。縦縞を基調に細かい織りや縫い取りなどが施された衣装が見ごたえあり。民族衣装を着た男性も多い。

おわりに

旅のはじめに訪問したグアテマラシティーのイシュチェル民族衣装博物館にイカット(絣織)の展示があり、その起源はインドで、西に伝播したものがグアテマラに至り、東に伝播したものが日本に至ったことを知り、旅の途中、アティトラン湖の村のイカット工房で糸を縛って先染めする「絣の手法」を見たことで、インドから始まる東西「絣伝播の道」を歩むことになりました。