糸で描く物語12

スロヴァキアの西部や大部市周辺では、他の地域よりも豪華な装飾がブラウスに施される傾向がありました。西部のトルナヴァ地方では、金銀糸を用いた、大胆でときに立体的な輪郭線が特徴のとりわけ華麗な衣装が生み出されました。例えば、ピエシュチャニのブラウス(1-42)の赤や黄色の刺繍で彩られた大きな襟や広がった袖には、バロック期の衣装の影響が感じられます。襟回りは、銀糸やスパンコールに加え、色とりどりのボビンレースで飾られています。