ベトナム(ハノイ、ラオカイ、バックハー、サパ、ハロン湾、チャンアン)

2013年に南部のホーチミン市、中部のフエとホイアンに行ってきましたが、今回は北部の首都ハノイ、中国国境に近い山岳地帯のサパ、世界遺産のハロン湾と陸のハロン湾と言われるチャンアンに行ってきました。

今回の旅行の最大の目的はサパ周辺の山岳地帯に住む少数民族の民族衣装を見に行くことでした。
そこでハノイに着いて真っ先に民族博物館にいきました。花モン族・黒モン族・タイ族などの多様な民族衣装を見ることができ良い勉強になりました。

水上人形劇

その後ベトナム独特の水上人形劇を見ました。ホーチミン市でも見ましたがハノイが本家のようです。本来は村の野外で行われていましたが現在はホアンキエム湖畔のタンロン人形劇場で上演されています。内容的にはホーチミン市の方が変化に富んで良いと思いましたが、舞台や音楽はハノイの方が良いと思いました。

チャパエクスプレス

サパに行くための拠点都市ラオカイに行く方法は鉄道とバスがあります。ハノイ/ラオカイ間の高速道路(264キロ)が2014年9月に開通したため以前は9時間以上かかったものが4時間で行くことができるようになりバスで朝出発すれば昼にはラオカイに着くことができるようになりました。しかし観光的には従来から確立している輸送手段である夜行列車が今でも主流のようです。ベトナムの鉄道はベトナム国鉄により運行されていますが面白いことに連結されている寝台車は複数の民間企業により運営されています。最高級はサパのビクトリホテルが運営しているヴィクトリア・エクスプレスですが我々は少しランクの低いチャパ・エクスプレスの2人個室を利用しました。キャビンは狭く2つのベッドの間に少し隙間がある程度ですが快適でよく眠れました。洗面所とトイレは車両の前後にありあまり綺麗とは言えませんが機能的には十分でした。22時ハノイ発、翌朝6時20分ラオカイ着ですので食堂車はなく、夕食は駅に行く前に済ませ、朝食はラオカイ駅前のレストランで食べることになります。

ラオカイは中国との国境の街で駅から車で5分ほどで国境です。中国の雲南省からベトナムのトンキン湾に至る紅河(Red river)を国境とし橋がかかっています。

谷間の棚田

紅河に沿って走る

ラオカイから紅河に沿って30分程走り橋を渡ると曲がりくねった山道となり2時間ほど登りバックハ(Bac Ha)に着きました。途中の谷には棚田がつづいていました。

バックハーで小休止をとり更に山道を1時間ほど走りカンカウ(Can Cau)に着きました。この村では毎週土曜日にマーケットが開かれます。バックハーの日曜市と比べて規模は小さいのですが、よりローカル色が強くカラフルな民族衣装の女性で溢れていました。食料・衣類雑貨・食事・動物の4つのエリアに分かれていていました。特に水牛の取引が盛んでバックハーを超える規模でした。

午後バックハーに戻り昼食後近郊の花モン族の村(Ban Pho)に行きました。花モン族は最も華やかな衣装で有名ですが農業中心の生活で少数民族の中でも貧しいようです。しかし子供たちはとても可愛く明るく素直でした。帰り道で洋裁店を覗くと花モン族の服を作っていました。早速一式買ってしまいました。

バックハーに1泊しました。山の中のかなり大きな街ですがサパと違い高級なホテルはなく宿泊したホテルもエレベーターがない2つ星クラスでした。バスルームがシャワーのみなのは良いのですが、広めのシャワースペースに便器が共存するなんともワイルドなものでした。

翌朝は日曜市(Sunday market)です。ホテルから歩いて5分ほどで到着しました。カンカウと同様に食料・衣類雑貨・食事・動物の4つのエリアに分かれていていました。食料エリアには種類豊富で新鮮な野菜が並び、肉はテーブルにドンと並んで衛生面で心配になりました。魚も少しですが売っていました。食事エリアには多くの店がならび朝食を食べる人々で賑わっていました。衣類雑貨エリアには衣類小物を売る土産店が並び、鍬などの金物などの店もありました。動物エリアでは水牛の他に子犬を売る人が多くいました。

午後サパに向かう途中でタイ族の村に立ち寄りました。村はずれで水牛車に乗り換えて中央までのんびりと行きました。

バックハーまで2時間、そこからまた山道を1時間半登りサパに着きました。サパはフランス統治時代に開発されたリゾート都市です。日本ではあまり有名ではありませんが欧米では有名な観光地で多くの観光客で溢れていました。新たらしいホテルも相次ぎ建築されておりこれからますます発展すると思われます。

路地奥にアメイジングホテルが見える

サパのホテルは4つ星のアメイジングホテルでした。2015年開業のまあたらしい快適なホテルでした。メインストリートから近く買い物や食事にも便利でした。実は歴史的有名ホテルのヴィクトリアホテルにすればが良かったかなと思っていましたが、アメイジングホテルで正解でした。ヴィクトリアホテルを見に行きましたが、確かにクラシックでレストランは雰囲気があってよかったのですが、ロビーはそれほど高級感はなく、客室の中は見れませんでしたが外から見る限り昔のリゾートホテルのスタンダードである狭い部屋のようでした。なにより問題は丘の上にあり買い物や外のレストランに行くのに不便だということです。

翌日、あいにく小雨と霧で視界が悪く、晴れていれば素晴らしいサパ周辺の展望を楽しめませんでした。街にでて民芸品の店をめぐり黒モン族などの手芸品を買いました。午後はトレッキングです。車で1時間ほど山を下りラオチャイ村に行き、そこからタヴァン村まで2時間ほど歩きました。民族衣装の黒モン族の女性が我々のグループ4人に3人付いてきました。目的はお土産を買ってほしいからなのですが、なにかと話しかけてきます。1時間ほど一緒に歩き村はずれで手芸品を一つ買ってあげました。現地ガイドだと思い片言の英語で話ながら歩くのも良い思い出になりました。

夕方、ラオカイに戻り駅前のレストランで夕食をとり時間調整をしてラオカイ駅発21時のチャパエクスプレスでハノイに向かいました。

翌朝5時半にハノイ駅に着きました。歩いて5分ほどの所のホテルでシャワーと朝食をとり7時半にハロン湾行きのバスが迎えに着ました。市内の複数のホテルを回って乗客をピックアップするのに30分以上かかり、途中20分ほどのトイレ休憩を1回とってハロン湾には12時着きました。なんと4時間半もかかりました。ハノイからハロン湾まで約170キロですからいかにも時間がかかりすぎです。高速道路が完備すれば2時間程度となりもっ行きやすくなるのにと思いました。

ハロン湾のクルーズ船

サンセット

ハロン湾の着くとクルーズ船がたくさん係留されていました。我々の乗る船はACLASS SLTELLAER CRUISEという船で客室数24今回の乗客は31名とのことでした。客室は海側に面したバス(シャワー)トイレつきのツインベッドの部屋でした。狭いながら快適な部屋でした。湾内のためか波もなくほとんど揺れを感じることもありませんでした。昼食後テンダー(船が引いている連絡用ボート)で旧水上村(現在住民はなくたんなるフローティングボート乗り場となっている)に行き、小舟に乗換洞窟くぐりをし、その後サプライジング・ケーブという鍾乳洞に行きました。200段ほどの階段を登った先に鍾乳洞の入口があります。階段を降りていくと巨大が鍾乳洞に入っていきます。予想を超える規模です。日本の秋芳洞より大きく変化に富んでいると思いました。船に戻ると甲板ではサンセットカクテルパーが開かれ夕日を見ながらののどかな時間が流れていきました。夕食後にはイカ釣り体験がありました。

太極拳

ティプトップ島頂上からの眺め

朝食前に甲板では太極拳のレッスンがありました。ゆっくり動く島影を背景にゆったりとした太極拳はなんとも言えず良いものでした。朝食後ティプトップ島(Ti Top Island)に行きました。400段の階段を登ると島の頂上の展望台からハロン湾の360度の展望が楽しめます。島の下は海水浴場になっており海水浴も楽しめます。船に戻ると春巻き造りの料理教室が開かれました。早めの昼食をとり12時頃に船は港に戻りました。12時半頃ハノイのホテル行きのバスが出発し16時半頃にホテルにつきました。ハロン湾の良さは日帰りではなく1泊2日のクルーズでないと分からないと感じました。

ヒルトンのロビー

ハノイはヒルトンホテルに2泊しました。ホアンキエム湖に近く旧市街にも徒歩圏といいうベストロケーションと設備・食事・サービスとどれをとっても最高のホテルで快適でした。特にエグゼクティブルームだったので18時からエグゼクティブラウンジで軽食(といってもメニューも豊富なブッフェ)とワイン・ビール・ソフトドリンク(飲み放題)が無料で楽しめるので助かりました。

翌日の10時にセントジョセフ大聖堂前集合の旧市街散策ツアーに参加しました。大聖堂を見てから旧市街の金物・靴・衣類など同じ業種の店が並ぶ通りを右に左に歩き回りました。途中でハノイ名物のスイート「チェ」やつけ麺「ブンチャー」を食べたりハノイの庶民生活を楽しみました。

午後はタクシーで10キロほど離れたVan Phuc Silk Villageに行きました。郊外の村だと思ったら既に村ではなくでシルク製品を売る店が集まった街中の一画でした。都市の拡大と共に市街化したようです。シルクを織る工場が並んでいることを想像していましたが工場はあまり見かけず店舗ばかりが目につきました。工場に入って見ると手動の織り機はありませんでしたがジャガード式自動織機が稼働していました。織り柄パターンを穴あけした板をつなげたパンチカード式のもので現代的な自動織機に移行する過渡期のものです。今では博物館でしか見られないものが実際に使用されているのを見て感激しました。

夜はフランス料理のお店に行きました。フランス統治の伝統からフランス料理が盛んかと思いましたが思いの他少なく、ネットで調べたところ評判の良いところはマリオットやソフィテルなどの超高級ホテルのレストランのようであまり興味が湧きません。そこでガイドさんから紹介されたローカルのフランス料理店に行きました。ホテルから歩いて10分もかからない場所でしたが道に迷い20分近くかかりました。レストランはなかなか高級感があり日本人が良く利用するようで日本語のメニューがありました。前菜・スープ・メイン(肉と魚のチョイス)・デザートで35ドルと料金もリーズナブルでした。ベトナム料理が1週間続いたのでしばらくぶりの洋食でホッとしました。

チャンアン船乗り場

洞窟くぐり

翌日は帰国日ですがハノイ発が深夜でホテル発が21時でしたから丸一日あります。そこで2014年に世界遺産に登録され陸のハロン湾と呼ばれるチャンアンに行きました。ハノイを8時に出発して高速道路があるので2時間半で到着しました。カルスト台地が水没し多くの島ができたのがハロン湾で、チャンアンはそれが地上なため山水画のような山の間を川がながれているものでした。中国の桂林は漓江という大河を大型船で下りますがチャンアンは小舟で小川をめぐるものです。途中に寺院や洞窟くぐりがある2時間の船遊びでした。船頭さんは船の後ろに座り手漕ぎ(時々足こぎ)で進めます。乗客もオールをもっと一緒に漕ぐという参加型です。コースの途中に8個所の洞窟くぐりがあります。一番長い洞窟は300メートル以上あり天井も低くかなりスリリングです。はずかしながら撮影に気を取られ頭を天井の岩にぶつけてしまいました。幸い帽子をかぶっていたので軽症で済みましたが痛い思い出になりました。

ビッグドン寺

午後ビックドン寺という洞窟寺院に行きました。この寺院にいくにはタムコックから2キロの田舎道を何故か自転車で行くことになっています。レストランで自転車を借りふらふらしながら10分ほどで到着です。断崖に沿って階段を登りながら3つ寺院と洞窟をお参りします。途中の洞窟は真っ暗でスマホの懐中電灯機能で進みました。一番上の寺院のあたりには野生?の山羊がいたり自然豊かな寺院でした。

タムコックに戻りVan Lam Embroider Villageに行きました。日本のテレビで見て是非行きたいと現地旅行社に依頼した所でした。チャンアンの公式ホームページに載っており全国的に有名であると情報で大いに期待した行きました。ところが案内された所は日本のテレビにも紹介された所でしたが刺繍工房というより縫製工場で刺繍はほんの少ししかやっていません。ガイドの説明では昔は盛んだったが今はこの工場しかないというのです。また村といってもタムコックの街外れで想像していたような村ではありませんでした。納得できず重ねてガイドに希望を伝え他を探させようやく更に街を離れた所の工場に行くことができ制作風景が見られました。工場の向かいには同じ経営の高級リゾートホテルがあり、その売店で刺繍商品を購入でき満足しました。

ハノイのホテルに戻り夕食後タクシーで空港に行きました。タクシーで1時間18ドルでした。ハノイ空港の国際線ターミナルは2014年12月31日に運用開始したばかりの空港でした。深夜の0時50分ハノイを発って成田には朝7時35分に到着しました。

ハノイを除き全て1泊で毎日観光と移動という少しハードなスケジュールでしたが、充実した楽しい旅行でした。

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